01庭木選びで運気が上がる?「縁起の良い木」をご紹介
庭木と言えば、家を建てるときに悩む方も多いと思いますが、その選定基準は好みの樹形だったり、花や実だったり、お手入れのしやすさで選んだり、場面や人によって様々かと思います。しかし、これ以外にも日本には馴染みの深い「縁起」「験を担ぐ」という理由で庭木を選ぶ方もいます。今回は「縁起の良い木」「縁起をかつぐ木」と呼ばれている、縁起のいい植物をご紹介したいと思います。
日本の縁起のいい庭木
ナンテン
縁起のいい植物として最初に思いつく代表格がナンテンという方は多いのではないでしょうか?ナンテンは「難を転じる」ということで表鬼門(北東)に植えます。 赤い実も葉もつややかで、戦国時代には、武士の鎧櫃にナンテンの葉を収め、出陣の祈りには枝を床に刺し勝利を祈りました。実は乾燥させると喉荒れや咳に効く薬になり、切って花瓶に挿しても1ヶ月くらい持つので、いろんな側面でとても優秀な植物です。
ヒイラギ
ヒイラギは古くから邪気を寄せ付けない縁起のいい植物として用いられ、西洋では「家庭の幸せ」という花言葉でも親しまれている人気の植物です。日本では裏鬼門(南西)に植えたりしますね。ヒイラギには「厄除け」と「幸福」の意味合いがあります。節分の時に、焼いたイワシの頭を挿したヒイラギの枝を玄関にぶら下げる習慣のある地域もあるそうです。西洋では別種のセイヨウヒイラギ(英語名「ホーリー」)がクリスマスの装飾に使われるなど、ヒイラギは和洋問わず縁起が良いとされています。
キンカン
「金冠」とかけて富、たくさん実を付けることから子孫繁栄を願うという縁起のいい木です。また、キンカンの実は黄金のようなまばゆい色と合間って富を象徴しており、原産地の中国でも古くから幸運、大願成就、子孫繁栄を約束する木とされてきました。そのため、日本では生活の豊かさを願って、おせち料理にも金柑を詰めるようになりました。「のど飴」や生薬の原料としても知られるほど、喉風邪によく効き、かつてはハシカの特効薬として使われた歴史もあります。
ユズリハ
ユズリハは若葉がすべて生え揃ったら、古い葉が一斉に散るため「譲り葉」とも呼ばれ、順調に引き継ぐことを願って、旧家などに植栽されることが多い庭木です。しかし、新旧の葉が入れ替わるのは、ユズリハに限ったことではないのでは?と疑問に思いますが、ユズリハは他の植物と比べてもかなり短期間でその葉が入れ替わります。一つ注意したいのはユズリハの実や葉には毒がりますので、犬や猫などのペットを飼っている方は十分危険性を考慮した上で植えましょう。
他にはこんな植物も
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コデマリ
コデマリといえば、小ぶりな花が無数に密集し小さなアジサイのように見える様子が可愛らしいく、その様子から子の幸せを祈念して七五三などに用いる縁起の良い木とされています。「子どもの健康祈願」を願って植えるお家もあるようです。
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センリョウ、マンリョウ…
美しい赤い身をいくつも実らせる、センリョウやマンリョウといった植物はお金をたくさん蓄えた様子に例えられ、正月飾りでも縁起木として重宝されています。また寒い時期でも豊かに実ることから、子孫繁栄や富、才覚をイメージさせるようです。
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松の木
冬でも葉を落とさず、緑を絶やさない常緑樹であることから「不変の健康」「長寿」を意味し、木材は建築の際、重要な部分に大切に扱われてきました。また、松の木を通った風は健康をもたらすと言われ、家にも人にもいいとされています。
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福木
福木はしっかりとした丸い葉が密集して茂ることから家を守る防風・防火として沖縄などで重宝されてきました。また、葉が二つ揃って生えてくるため、夫婦円満やカップルにご利益があるとされています。
海外の縁起のいい植物
月桂樹(ローリエ)
肉料理で馴染みのある月桂樹の葉は、古代ギリシアで太陽神アポロンの木とされ、アポロンが月桂樹の小枝で作った冠を英雄に授けることから、勝利や栄光を象徴する樹木として愛されています。硬い葉の印象があり、見た目よりも葉の効能や実用性を重視されることの多い月桂樹ですが、黄金月桂樹という葉が黄色い鮮やかなものや、葉が細く涼しげな印象のある細葉月桂樹などもありますので、観賞用としても十分楽しめる樹木です。
山椒の木
日本では「うらサンショ」「泣きサンショ」と言われ、庭に植えると家を売る羽目になる…と縁起の悪いイメージのある山椒ですが、中国では逆に香りの強い山椒の葉が邪気を払う魔除けになるとされ、多数の実をつけることから子孫繁栄にもつながる縁起のいい植物として大切にされています。トゲがある植物は風水的に敬遠されることもあるので、気になる方はトゲのないアサクラザンショウを選んで植えてもいいかもしれません。
オリーブ
洋風のお庭で人気のオリーブですが、実は風水では「邪気を払う」効果があるとされています。有名なノアの方舟では、人間を滅ぼす目的で起きた大洪水からノアの方舟で逃れる際に、船の上にいた鳩がオリーブの葉を持ち帰ったのがきっかけで、洪水がおさまったというのは有名な言い伝えです。そのため平和のシンボルとして親しまれ、ギリシアやイスラエルでは国花となっています。
ドラセナ
別名幸福の木と呼ばれています。ドラセナはその強靭な生命力で、国内でも観葉植物として人気が高く、カフェやホテルなどでも飾られているのをよく見かけますね。一般的には、ドラセナ・マッサンゲアナという種類が幸福の木とされています。ハワイではコルジリネ ターミナリスという植物の葉が フラダンスの腰巻に使われたり、厄除けとして玄関に飾られています。その植物がドラセナと良く似ていることから、日本で「幸福の木」というイメージが定着したようです。
番外編:昔は縁起の悪かった植物
ビワ
昔から庭に植えると「病人が絶えない」と言われ、縁起の悪い庭木とされてきました。ビワの実はとても栄養価が高く、特に葉の部分は昔から薬として飲まれていたこともあり、中国ではその昔、ビワの葉を求めて病人がビワの木のある家を行列を作るという話が伝えられてきました。そのせいもあってビワの木=病気というイメージがついてしまったようです。しかし、縁起が悪いとされる一方で、ビワの木は乾燥させると一層硬くなることから木刀や家具によく使われ、日本では古くから親しまれています。
椿の木
椿の花はボタっと、まるで首が取れるように花が落ちる姿から、幕末ごろから不吉な花として武士からは嫌われるようになりました。しかし、本来は縁起のいいものとして日本に定着していました。その証拠に「椿寿」という言葉は長寿を意味し、正倉院には椿の枝で作られた杖が収められるほどです。
また、前述で武士の間で嫌われていたと書きましたが、熊本では武士が肥後ツバキを作り出したほどですから、昔から全国的に不吉な花とされてきたわけではないようです。
藤の花
藤は樹齢が長く「フジ」という響が「不死」を連想させることから縁起がいいとされる一方で「不治の病」も連想させるようで、同時に縁起の悪い木としても扱われてきました。また藤の花は垂れ下がって咲くことから、植えると家運が下がるとされています。しかし、前述した2例と同じように、縁起のいい植物と捉えることもあるようで、藤の長く伸びるツタは「家運隆盛」「延命長寿」とされています。
最後に
いかがだったでしょうか?
もし、樹形や育てやすやなどで候補を何本かに絞ったが、決め手に欠ける。。なんて方はこんな理由で検討してもいいかもしれませんね。
縁起の悪い木も合わせて紹介しましたが、読んでもらうとわかる通り、縁起の悪い、良いは時代や地域によって大きく変わってきます。自分の地元では縁起がいい、代々商人の家なのでこの木は縁起が悪いと教えられてきたなどケースバイケースなので、自分の想いや願いを重視して選んで見てください。